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西武 ショート浅村選手はなぜ使いにくいのか

  • 2013/12/22(日) 22:04:45

西武 浅村選手の送球と守備について

以下の文書は日刊スポーツからの抜粋です。
ここで書かれていることは、ヤクルトの宮本選手の教えとも通じるものがあり、基本的には足を使って送球するというここが再確認できればいいと思います。
送球という面では私は、楽天の松井選手、巨人の村田選手が上手いと思っています。そろそろスナップスローについて書いてみたいなというところです。



ショートの守備に於いて「使いにくい」と評され、浅村栄斗選手は完全に渡辺久信監督の信頼を失ってしまった。
(中略)ライオンズというチームはここしばらく、本物のショートストッパーが育っていない。本物のショートストッパーとして思い出されるのはレギュラー選手では田辺徳雄選手、守備要員では奈良原浩選手が最後であろうか。その後は松井稼頭央選手、中島裕之選手が長年不動のショートを務めあげた。しかし松井選手と中島選手はご存じの通り、プロ入り後からショートの守備を始めた選手だった。松井選手に関しては守備でも高い評価を得るまでに至り、名手と呼ばれることもあった。だが中島選手は昨季までに関しては、最後までショートらしいショートの域に達するには至らなかった。

では、ショートらしいショートとは?実はこれに関してはビッグプレーも多いメジャーリーグであっても考え方は同じだ。日本流に言えば「忍者のように動ける選手」で、アメリカでも小回りの利く守備範囲の広い選手が求められている。もちろんこの枠に収まり切らない選手も多々いるわけだが、ショートらしいショートという考え方に於いては、原点では両国で共通点は多い。現にメジャーリーグであっても長身の選手は「大型ショートストッパー」という風に、大型という言葉が強調されることが少なくはない。ちなみに一塁手や三塁手、外野手に関しては大型という形容詞が付けられることはほとんどない。

浅村栄斗選手はプロ入りしてからずっと、中島裕之選手の守備を見続けてきた。中島選手といえば元来メジャー志向が強く、守備に関してもメジャーリーガーのようなプレーを見せることがある。だがショートストッパーとして巧いかどうかと尋ねられれば、中島選手を巧いと評する一流選手は少ないだろう。その理由は派手なプレーが多いためだ。例えばダイナミックな送球動作で強烈なボールを投げてホームで失点を防ぐ姿などは、まさに強烈的だ。このような派手なプレーを見せられると、それほど野球に詳しくはないファンはそれだけでも魅了されてしまう。いや、もちろん魅了するプレーを見せるということは、プロとしては非常に重要なことだ。だがショートストッパーを技術屋として見るならば、派手なプレーは決して求められてはいないのだ。

浅村選手は松井・中島両選手とは異なり、高校時代からショートストップを務めてきた選手だ。ショートの守備は非常に上手かったように思う。数年前にまだ浅村選手が1軍に上がりたての頃、原拓也選手と並んで試合前練習をしている場面があった。原選手といえば、シュートストッパーとしては非常に巧い部類に入る選手だ。その原選手と比較をしても、決して引けを取らないショートでの守備練習を見せていたのが浅村選手だった。しかしその浅村選手が今、守備で信頼を完全に失ってしまっている。それは何故なのか?

筆者が考えるにそれは、浅村選手は中島選手のプレーを見続けてしまったからだと考えている。もちろん中島選手のせいである、と言いたいわけではない。中島選手とはショートストッパーとしての性格がまったく違うにもかかわらず、浅村選手はその違うタイプを目指してしまったのだ。例えば体の強さ。中島選手は非常にタフで、よほど痛くない限りは痛いとは決して言わず、試合に出続けるような選手だった。だが浅村選手は違う。とにかく細かい怪我が多く、それによって一気に調子を落としてしまう。プロ野球選手としてそれほど体が頑強ではないにも関わらず、フルスウィングを続けることで生じる細かい故障、これは過去これまでの浅村選手にとっての致命傷だった。

浅村選手は打撃とはともかく、ショートストッパーとしては一度原点に戻った方が良いだろう。中島選手を真似、力強い送球を見せようとするのではなく、「送球は脚で運ぶ」という基本に戻った方が良い。送球エラーが多いと言うことは、それは上半身の力に頼ってボールを投げているためだ。上半身に頼って投げてしまうために並進エネルギーではなく、回転エネルギーによってボールを投げるようになってしまう。するとボールが引っかかったり抜けたりする確率が高くなり、送球が不安定になってしまうのだ。特に0.1秒を争う併殺シーンではより力が入ってしまい、より力が入ってしまうことにより送球はさらにぶれやすくなってしまう。

浅村選手の守備に関しもう一点気になるのが、優しさだ。これは中島選手に対してもまったく同じことを書いてきた筆者なのだが、併殺シーンで浅村選手も走者を避けてしまうのだ。これはショートストッパーとしては致命的な欠点だ。走者を避けながら送球をすれば、当然その分動きが大きくなり、送球も乱れやすくなる。一方対戦相手であったドラゴンズのショートストッパーはそうではなかった。同じような併殺シーンを見ても、一塁走者の顔に向けてボールを投げるのではないか、と思うほど走者を避けることをしないのだ。併殺シーンで浅村選手の送球エラーが多い最たる原因がここにあると筆者は考えている。投手でも同じであるわけだが、グラウンドで優しくなってしまう選手は大成することはない。

併殺を阻止しようと手を広げてスライディングしてくれるような走者がいたとしても、その走者の顔面にぶつけてやるという迫力を持ち、決して走者を避けずに送球をすることが重要だ。ただし避けずにと言っても、それはあくまでも投げる前の話だ。送球を完全にし終えたあとはすぐに走者を交わしに入らなければならない。そうしなければ走者のスパイクで大怪我をしてしまうこともある。浅村選手は非常に細身の選手で、自分よりも大きな選手がスライディングをしてきたら恐怖心もあると思う。しかしそうではなく、逆に滑り込んでくる走者に恐怖心を与えられるショートストッパーへと進化しなければ、併殺時の送球エラーが減ることはないだろう。ちなみに今年のWBCに於いては、鳥谷選手は外国人選手のスライディングに臆することなく併殺時の送球を行っていた。きっとそれだけの強いハートを持っているからこそ、長年素晴らしい活躍を続けられているのだろう。浅村選手にもいつかは鳥谷選手のような、走者に恐怖心を与えられるショートストッパーになってもらいたいと筆者は今、切に願っているのであった。
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